2003年4月から司法書士に対し簡易裁判所代理権を付与する制度が施行され、現在は全国各地で簡易裁判所代理権認定を受けた司法書士(いわゆる認定司法書士)が活躍しています。特に大手サラ金に対し、過大に支払った利息や元金を返還するための手続きや債務整理手続きを主な業務とする司法書士も増加しています。 司法書士が簡易裁判所において弁護士と同様に法廷代理人として活動するためには、まず一定期間法務大臣指定の研修を受け、その後の試験をパスして法務大臣の認定を受けた者であることが必要とされています。 ところで、司法書士が代理権を行使できるのは、「簡易裁判所管轄」の「民事」の裁判手続においてのみです。 簡易裁判所の管轄は訴額が140万円を超えない「訴訟手続」(いわゆる普通「裁判」といわれるもの)、金銭や手形・小切手などの有価証券の支払請求等について通常の訴訟より簡易迅速に行える手続である「支払督促手続」や訴訟を起こす前に裁判所を話し合いの場にすることができる「訴え提起前の和解手続」、訴額が60万円以下の金銭請求事件についてなら1日で解決する「少額訴訟手続」などで、一般生活上のもめごとの多くは簡易裁判所の管轄に含まれると思われます。また紛争解決までに必要とする期間ですが、裁判所側の統計では裁判所に申立後3か月以内で解決するものが大半を占めるようです。 しかし、簡易裁判所で解決できずに控訴審など地方裁判所に進んだものについては司法書士が行える代理権からは離れてしまい、その後は弁護士に委任するか、司法書士のフォロー(裁判書類の作成と裁判に立ち会う等)のもとにご本人で裁判を続けるかの選択になります。そのため、裁判を長期間続けると費用がかさんでしまうため、効果的に和解(裁判中で話し合いをすること)を利用して紛争の短期解決を目指す方や紛争当事者の双方が話し合いをできる環境にある場合、司法書士の利用が特に有効であると思われます。
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